先日、快晴で強風が吹く中、3密ではないゴルフを楽しみました。
参加者は、私と同年代3名を含むシニア4名で、日々飛距離が落ちつつあることを実感している世代です。
その内、一番ハンディの少ない上手なNさんが、いつもよりリズムが悪く、特に、ドライバー(ゴルフで一番飛ぶクラブ)の調子が冴えずクラブの芯を外れて、左へ引掛けたり、右へシャンクする(クラブヘッドが開いて当り大きく右へ飛ぶ現象)ので、聞いてみたところ、「先週、プロのレッスンを受けたが、それでどうもタイミングが分からなくなり、うまく打てない状態になっている」と言うのです。本来、プロのレッスンを受けると技術が向上するはずなのに、逆に調子を崩してしまっているのは何故なのか?
他のスポーツであれば、レッスンを受けると通常、無駄な動きが減少しフォームが良くなり、良い結果が出るはず。それなのにその逆となってしまうのが、ゴルフの難しい点でしょう(どうもN氏のレッスンは、ドライバーの飛距離が伸ばすレッスンだったらしい)。
著名なレッスンプロの久富氏によれば、「月1~2回ラウンドする程度のアマチュア」は、「飛距離」と「方向性・安定性」を同時に追求するとスコアが乱れ結局いつまで経っても上達しないので、まず、方向性を追求すべきであると指導しています。
具体的には、ドライバーは、150ヤード先の狙った位置に10球中8~9球まで運ぶ練習をして(通常180ヤード程度は飛ぶクラブです)安定性を向上すべきと指導書で述べています。
しかし、日本人は、元々欧米人に比べて筋力が弱いので、かえって飛距離に拘る人が多く、現にN氏も「ドライバーの調子が悪いとスコアが良くてもつまらないね」と言っていました。
私もこの意見に同感で、アマチュアは、ドライバーである程度飛距離が出ないと、スコアも良くならない傾向があるではないかと思っていて、昔からマン振り(全力で振る)派で、方向性が悪くゴルフの長いキャリアがあるのも拘らず、スコアは、茶摘みの歌から除夜の鐘の数の間を行ったり来たりしている程度に留まっています。
「飛距離」と「安定性」は、ゴルフの永遠のテーマですが、本来上手になるはずのレッスンが逆にリズムを崩すという皮肉な結果になることが往々にしてあります。
その他にも、ゴルフだけに特有の?「練習場と本番のゴルフ場が大きく異なり天候次第」や「練習で調子が良い日は、本番のスコアは悪くなる?」というメンタルな面もあり、その一筋縄ではいかない複雑さや奥深さから、人々を長く魅了しているのではないでしょうか。