9世紀初頭、慈覚大師円仁が開いたとされる東北の四寺回廊の旅に、松尾芭蕉が辿った夏に合わせて行ってまいりました。
四寺ということですが、毛越寺は時間の都合上行きそびれてしまいましたので、三寺という結果になってしまいましたが。
初日は、宮城の松島にある瑞巌寺から。伊達家歴代の巨大な位牌に驚きます。
「松島や ああ松島や 松島や」
西行戻しの松公園から眺める松島の美しさはお見事でした。
二日目は、平泉の中尊寺へ。金色堂の美しさは、本当に息をのむほど。鎌倉時代から囲堂に守られてきた奇跡の美しさと、海外から装飾用の貝殻を輸入していたとされる藤原氏の繁栄の大きさにも驚きます。源義経にも思いを寄せながら、堪能してきました。
「夏草や 兵どもが 夢のあと」
「五月雨の 降り残してや 光堂」
中尊寺は小高い山にありまして、むせかえる緑の匂いと金色堂の裏にあるハスの田んぼを眺めると、芭蕉の気持ちに少し触れたような感じがします。
三日目は、立石寺。通称山寺といわれる山形県の断崖絶壁にあるお寺。
流れ落ちる汗を拭きながら石段を登って行くと、巨大な岩の下にたどり着きます。蝉しぐれを浴びながら見上げる岩の壁。この岩の上まで登って、ようやく納経堂にたどり着くのですが、この辺りはすでに蝉しぐれは聞こえません。
「閑けさや 岩にしみいる 蝉の声」
芭蕉はやはり天才だな・・・・と上から目線で評価したりして。
最後に寺ではなく米沢の上杉神社へ参拝。上杉謙信・景勝が袖を通した着物が展示されていましたが、まずその小ささに驚きます。
上杉鷹山の偉大さを改めて感じ入り、また伊達政宗誕生の地でもある街としては大変小さな米沢ですが、大きな歴史を抱えていました。
3泊4日の道中、石巻で津波の恐ろしさを感じ、八幡平アスピーテラインから見る岩手山に感動し、角館の武家屋敷に徹底された身分社会のしきたりの厳格さに驚いたりと、東北を満喫する1400キロのドライブ旅となりました。