巷に新の付く人が目につく季節である。
新入生、新社会人、初々しい制服やビジネススーツが眩しい。
私の場合、遡る約半世紀前、当時の二十歳前の男の子が重視していた事と言えば、
如何に早くクルマの免許を取得してマイカーを手にする事が出来るか?
如何にしてその時代の音楽(特に洋楽)事情に精通し先取り出来るか?
如何にして都心部の道路(特に首都高)を熟知し、老齢のハイヤー運転手のごとく
スマートに使いこなすことができるか?
これら全ての目的は「如何にして女の子にモテるか」の為にであり、繋がる当時に
してみれば、真剣な最重要課題であった。
人生のある時点で兎に角夢中になった事は、人それぞれあるであろうが、私がこの
季節感じた事は、そんなたわいも無い事に夢中になっていた自分の時代である。