朝晩の気温が確実に夏の終わりを告げている。どう足掻いても、時々忘れてた様に真夏日を気取っても、明らかに秋の気配を否めない。

子供の頃から夏休みの終わる頃になると、もうこれはこの世の終わりと絶望的な気分に包まれながら新学期を迎え、もはや自暴自棄な毎日を送ってきた。

兎に角、次の夏が来るまで待たなくてはならない永遠とも思える哀しみの始まりが夏の終わりだ。

大人になっても、矢張りこの季節は、辛い、涼しくなって身体が楽だとしても、心が哀しい。

中秋の名月とか、秋茄子だとか、秋刀魚だとか、林檎だとかに、私は決して騙されない、夏の終わりを諦めきれない今日この頃なのである。