イギリスの次期首相に、政権与党の党首選に勝利したエリザベス・トラス現外相が決まりました。
まだ47歳の若さであり(因みに対抗馬だったリシ・スナク氏は42歳です)、活力のない日本の政界と比較すると、率直に言って少し羨ましくもあります。
イギリスの女性首相は3人目ですが、何と言っても圧倒的な実績と知名度を誇ったのは、歴代総理においてもウィンストン・チャーチルに匹敵する存在であったマーガレット・サッチャーです。新首相がこれからどの様な仕事をしていくのか、他国のことながら大いなる期待を持ち、注目していきたいと考えます。
翻って我が国を見ると、政界への人材登用の道筋は悲惨な状況です。俗に三バンがないと選挙にならない~即ち地盤・看板(≒知名度)・カバン(≒資金力)を持つ候補が圧倒的に有利となってしまうという現況では、有力な宗教団体や思想団体を基盤に持つ政党を除けば、世襲候補かタレント候補のオンパレードとなってしまいます。
他方官僚出身の政治家もおり、本来ならば優秀さと政策に通じているという点でも、有力な人材供給源となり得るのですが、かつての官僚出身の政治家(故中曽根元首相が代表的でしょう)と違い、彼ら彼女らを見ると与えられた教材に基づいた勉強は良くできるが、現場を知らずかつ関心も薄く、世間から遊離した感覚の持主が数多く見受けられ、真に国家国民の為に尽くす意欲を持つ者はあまり多くない印象です。
冒頭に挙げたサッチャーが首相に就任した時には、イギリスのかつての栄光は色褪せており、英国病と称された淀んだ空気が支配する長い停滞期にありました。それを一新したのが彼女です。時に強権を振って批判も浴びましたが、国家国民の為と言う明確な目的のもとに、信念を持って社会を変える為のリーダーシップを発揮した人物でした。
ここ近年の我が国を顧みると、国際社会の中で、政治的にも経済的にも正にじり貧状態です。与党も野党も極めて内向き思考ですが、結局のところそれをもたらしているのは彼らを選んだ国民自身です。
我々国民一人一人がそろそろ国の将来を今一度良く考え、社会の在り方や活動の仕方を根本的なところから変えて行かなければ、いわば次第に冷めていくぬるま湯に浸かったまま抜けられない状態となってしまい、真の貧乏国家へと転落していってしまうのも時間の問題です。
是非、次世代の為に、少しでも良い社会を改めて構築して行ける様にしたいものと考えます。