真夏の美術館は、省電力の為か思いの外冷房の効きが穏やかでほっとした。
田中保(1886-1941)という戦前パリで活躍した画家の企画展を鑑賞した。
田中保は、中学を出た後単身アメリカシアトルに渡り画家としてパリの画壇で裸婦像を中心に発表し賞賛を浴びたが一度も帰国せずに第二次世界大戦下パリで客死した。
本人の生立ちを読みながら、描かれた作品の筆致の変化やシアトルで画家としての基礎を学んだ日本人に描かれた人物像がとても楽しくて、久しぶりに時間を忘れて堪能出来た。

外に出ると真夏の熱風は容赦ないが、程よく冷えた体に寧ろ心地よい。
さて、昼過ぎであるが、近くのお目当ての店を目指し、ほぼ3年振りの鰻にありついた。　　　余りの美味しさに黙食を貫き10分もたたずに完食した。
甚だ大人の作法からはほど遠い食事ではあったものの、絵画鑑賞から鰻という　久しぶりの大人の時間に満足の一日であった。