江戸時代末期、筑前の大きな商家の奥様方が行った伊勢参りの旅日記「東路旅日記」が、福岡に保存されていることを知りました。
興味を持ったので調べてみると、この日記を小説化した作品、田辺聖子著「姥ざかり花の旅笠」の存在を知り早速購入。
市井の商家の奥様方が記録した旅日記という、庶民的(そうはいっても大金持ち)な目線で江戸時代の暮らしや流行、風俗、地理的な情景に接し、只今半分ほど読み終わったところですが大いに楽しんでいます。
また、いつの時代も女性は強いもので、伊勢参りで満足できず善光寺、更に日光、江戸と足を延ばしていくバイタリティーに感心してしまいます。
道中の地名は現代とあまり変わらず、地図を片手に読んでみると日記がさらに身近になってまいります。木曽から塩尻、姥捨へと、善光寺に至る道中の景色は大変美しく、すごく険しい。とくに、安曇野から篠ノ井線沿いに麻積、猿ヶ馬場峠へと向かうルートは、いずれ踏襲せねばなるまいと思っております。(但しバイクで)
ちなみに、旅の主人公「小田宅子(いえこ)」さんは、あの高倉健の5代前の先祖だそうです。
ご存知なかった方は、ぜひ一度読んでみては如何でしょうか。自信をもってお勧めいたします。