今まさに、欧米日の民主主義国とロシアとの間に、新しい「鉄のカーテン」が降りようとしている感があります。
金融、メーカーなどあらゆる経済活動に関係する西側諸国とロシアとの関係性は消滅しようとしているかの様です。
例えば、日米欧の金融機関は、巨額の損失を省みず、ロシアから一斉に撤退や事業停止を実行しており、弊社の取引銀行の話でもロシア向けの海外送金は段々と出来なくなりつつある様です。
ブルームバーグという世界一の金融情報サイトがあるが、そのサイトでロシア銀行や企業の株価を検索しようとしても一時は、「現在このデータは利用できません」とだけ表示される状態でした(現在は表示される)。
ブルームバーグといえば、世界のほぼ全域をカバーしており、金融関連であれば何でも検索可能であるが、今回の異常事態により、過去、誰もが見たことがない未曽有の表示を掲示することとなった模様。
それ以外にもロシア金融商品を扱っていた年金運用ファンドや投資家は、侵攻以降、売買が困難で、最近はロシア国債等の元利金支払いがされず、その運用資産の価値は、暴落しています。
また、ウクライナ危機の前から、世界的に物価上昇傾向であったが、円安による輸入物価の高騰(企業物価は前年比約9%超上昇)に、ウクライナ危機による供給不足が加わって、エネルギーと食品を中心に日本でもインフレリスクが現実的になって来ました。
例えば、電力料金などは既に8か月連続値上げされており、食パン・ハムソーセージ・小麦粉ほか日用品は、一斉に値上げされる。エネルギーや身近な生活必需品の値上げは、消費者に直接影響を与え、所得に占める生活費割合が増えることに伴い、その他のレジャーや嗜好品・教育などのサービス消費減退が懸念されるところです。
タイミングが悪いことに間もなく「日ロ漁協交渉」が開始されますが、一連の経済制裁実行で、日本は、ロシアの「非友好国」となったため、北方領土海域のカニやサケ・マスなどの海産物は、入手困難となり、代替品にも引き合いが殺到するので、近い内に、寿司屋のいくらやサーモンなどはメニューから消えるかも知れません。
そもそも核大国のロシアと戦争はできないので、結局のところ、経済制裁と当時国への軍備と物資の提供しか出来なため、ウクライナ戦争が長期化すれば、世界経済への影響は、計り知れず、ますます先行き不透明感が強まるばかりです。
最早、ウクライナ戦争前の状態に戻れない以上、西側民主主義国家と強権ロシアとの関係は、中長期的にも険悪でギスギスしたものにならざるを得ないと覚悟すべきと思われます。