ロシアがウクライナに侵攻してから早3週間、ロシアの電撃占領の思惑は外れ、焦りからか軍事目標だけの攻撃から、今や、病院や住宅も攻撃され激しさを増し残虐化しています。
多くの貴重な生命が失われているのに誰もこの暴挙を止められない状況です。
このロシアの武力行使に対し、欧米は、武力ではなく経済制裁をしている。その背景にはウクライナで直接、米欧軍が交戦すれば、核大国同士の世界大戦に繋がるから避けていると報道されています(米国内の世論も軍事力行使には否定的)。
経済制裁は、最初の内は、重要物資の禁輸くらいだったが、段々とその制裁内容は拡充され、ロシア政府関係者等の資産差押えからついには、国際金融での核オプションと言われていた国際決済機関の「スイフト」からの遮断まで実施しました。 このスイフト禁止は、禁断の手とも抜かず伝家の宝刀とも言われており、核兵器の使用と同様、事実上脅しにしか使えない手段だと認識されていたので、「ここまでやるか」と市場関係者には驚きをもって受け止められています。(これによりロシアは、輸出入代金の決済などが困難となった(エネルギー除く))。
それに対し、ロシアは、ロシアでの事業停止や撤退をする日欧米企業の資産やブランドを没収し、その経営者も逮捕すると発表しました。
経済制裁は、やる側にも跳ね返って来て、石油や食料の物価高騰やロシア国債のデフォルト懸念などデメリットも甚大になりつつあります。
そもそも経済制裁の効果は、明確ではないと言われており、実際、イランや北朝鮮向けの経済制裁の効果で、先方が反省し自らの言動を止めた例は少ない様です。
このように対立は、「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」の状態になり、どんどんエスカレートし、歯止めが利かなくなりつつある。兎に角、このエスカレーションを止める必要があります。
国連のグデレス総長が言う様に「核戦争も起こり得る」状態で、この悪い流れを何とか止めなければならないが、妙策はないのが現実です。
経済制裁については、個人的な意見ですが、例えば、新疆ウイグル自治区での人権弾圧を止めるため、同地域の綿花を輸入禁止としたが、この措置は、中国政府に打撃を与え人権侵害をやめさせる目的ですが、現実は、新疆ウイグル自治区で働く一般の人々の仕事が減り、貧困化に繋がっている可能性があります。 ロシアでも同様で、戦争も経済制裁も一番直接的なダメージを食らうのは、市井のごく普通の市民であり、為政者にはすぐには直接的な悪影響は少ないものと思われます。
また、民主主義国家と覇権国家との闘いに積極的に参加しない企業や個人は批判される同調圧力が凄まじくなって、「ロシアの一般の消費者へ生活必需品を供給する責任を果たしたい」としていたユニクロも結局、ロシアでの事業停止を表明しました。 更に、ロシア人全般への差別的な言動も世界中で増加しつつあるのは、悲しい現実です。
今後の動きは予断を許しませんが、なんとか冷静で中立的な仲介者が出て、当事者が落ち着きを取り戻し、建設的な妥協ができないかと祈るばかりです。