先月、NHKニュースで「40年以上前の歌謡曲が世界的に大ヒットしている。具体例として、松原みきの「真夜中のドア」をインドネシアの著名女性YouTuberがカバーしたところ、Apple musicや Spotify などで大ヒットとなった。 また、この曲の作曲者が作曲した「ふたりの夏物語」や中森明菜の「北ウイング」など、所謂シティポップが再ヒットした」と報道されていました。
また、少し前、別の番組でも「ジャパニーズポップス」の特集を放映していて、最近、海外で日本の歌謡曲が人気となり、特に昭和時代の歌謡曲や演歌が外国人に話題となっている」と放映されました。その番組に出演していたある外国人ミュージシャンによれば、「日本には多種多様なポップスがあり、アニメソングやCM曲のCDまで発売されているのは他国には例がない驚きである(米国では、CMソングに通常歌詞はないそうである)。特に、1980年代のシティポップは、秀逸の出来栄えで、深みのあるメロディと、聞けばその情景が頭に浮かぶソングだ」と絶賛していました。
若い世代の愛好家によれば、「昭和歌謡は、イントロが素晴らしく(最近の曲は、イントロ部分が少ないらしい)、曲全体のイメージがイントロの中で表現されている」とのことでした。
確かに昭和の歌謡曲は、個性的なメロディが多いうえに、歌詞の内容も物語性が豊富で何か人生の一断面を表現している様な曲が多く、高く評価されるのは当然だと思います。
「昭和歌謡」という極東のローカルな楽曲が世界的に「新曲」として聞かれヒットしたのは、SNSなどの発展によるところが大と思われますが、そのSNSやYouTubeなどを販促に最大限利用して、その勢力圏を拡大しているのが、K-POPだと思います。
K-POPは、最初から世界展開を標榜し、英語版の歌を作りダンスも欧米で通用する様な高度なレベルのものを創作、海外で直接販促をして一定の地歩を固めつつあります。
「カンナムスタイル」などは、K-POPに疎い私でも口ずさめる程ヒットしたのは比較的最近?です。
特に、BTS(という男性ボーカルグループ)は、昨年「ダイナマイト」でグラミー賞候補となり、国際的なスターとなっています。
BTSを初めて聞いた時、高音の黒人グループの歌かなと思いましたが、その歌唱力とパフォーマンスは、別次元のレベルと感じました。 コロナ禍にあっても、オンラインライブなどを駆使して世界的なエンターテイナーとして今も活躍中ですね。
この様なK-POPの隆盛を見てしまうと、J-POPのリバイバルヒットは、「一歌謡曲ファン」としては喜ばしい限りですが、K-POPに比べれば、その影響力は小さく、しかも、その「優秀な文化」を代表するものが、現代の日本の音楽(今のJ-POP)ではなく、何十年も前の昭和時代の芸術作品であることに、なにか寂しいもの感じます。
バブル期を頂点として、成長力が衰え、国力の若々しい勢いが発揮できない現代日本の象徴の様に思えて残念です。
「あの日に帰りたい」なんてならない様に、日本版のBTSの出現を期待したいところです。