自公維の合意により高校無償化が決まりました。 少数与党という形は確かに、政権の独断を排して幅広い意見を採入れる効果を持つものですが、今回のドタバタは予算を成立させる為の窮余の策でもあり、また野党間の主導権争いの面も強く、本当に国家国民の将来を考えてこの様な結論を下したのか甚だ疑問です。

　まずはとにかくこの施策に対する財源が全く示されていません。 「徹底した行財政改革によって安定財源を確保する」なんてことで済むのならば、企業経営にとってもこれ程楽なことはありません。 結局は現場感覚に疎いお殿様たちの集まりというのが、現在の永田町の姿なのかもしれません。

　またこの施策は一見少子高齢化対策の様に見えますが、財政を圧迫していくのならば結局は次世代へのツケということに他なりません。 いつも申し上げている通り、我々の生きる主要目的の一つは次世代により良い社会を繋ぐことにあると思っていますので、もう少し将来世代への責任ある行動を求めたいものです。 但しその最終的な責任者は、投票を通じて国家の代表を選ぶ権利と義務を負っている、我々有権者にある事も銘記すべきです。

　リベラルな民主党のバイデン政権が大きな政府を志向したのに対し、保守的な共和党のトランプ政権はその真逆で、連邦予算の削減に大ナタを振るっています。 この様な対立構図はどの国にもあるのですが、我が国はそういう思想的な背景とは関係なく、どちらの陣営であっても国民の歓心を買う為のバラマキ合戦となりがちであるので、我々自身も部分善はしばしば全体悪であると心得て、自分達の代表者を広い視点で選び、国の明るい未来を肌で感じていけるようにして行きたいものです。