「思えば遠くに来たもんだ」で知られる「頑是ない歌」
頑是ないとは、幼いとか若くて判断力が無いといった意味だそうです。
中原中也が12歳のころの故郷を思って書いた歌。
私にとっての12歳の故郷は変貌著しく、今やその風景は完全に私の記憶の中でしか蘇る事はないのですが、あの頃を思い出すと私も、そして誰もがそれなりにもがき苦しんで今日を迎えていることを知ります。
「汚れちまった悲しみに」には、傷つかない人生などあり得ないことを知ります。
「僕は雨上がりの曇った空の下の鉄橋のように生きている」
中原中也に触れると、何かに悩む日々を送らねばならないのは人間の定めで、その克服が人間の努めだと思えてくるのです。
「人はそれぞれ事情をかかえ、平然と生きている」
勝手に兄貴と慕っている伊集院静の一節。
さあ、迷ったら本から力をもらいましょう。