今の時代を生きる我々には経験した事のない異常な暑さが連日続いています。
一昔前は夏が暑いと言っても大体32~33℃位までが通常であり、35℃超のいわゆる猛暑日はひと夏に1~2度あるかどうかという位の認識だったのですが、今年の7月は連日の猛暑日で過去の日数の記録を大幅に更新(7日→13日)、もはや35℃位では普通かなと感覚が麻痺してしまい、37~38℃にならないと「猛暑日」という実感にはならなくなりました。
私が20代の頃に住んでいた札幌では、車に当時冷房はなく、どうして?聞くと「どんなに気温が上がっても、ひと夏に1~2回位30℃に届く程度だから必要ない」という答えが返って来ていましたが、今や北海道でも猛暑日はざらであり、エアコンのない車など当然のことながら売れる筈もありません。
気象庁の発表では、この7月の全国の平均気温は過去の記録を大幅に上回って観測史上最高だったそうですし、日本のみならず世界的にも、先月は観測史上最高の平均気温であったと、世界気象機関やEUの気象情報機関が発表しています。
ある米国の気象学者は、この暑さは12万5千年振りであると主張しています。即ち、現在地球は氷期を脱し、少し暖かくなる間氷期にありますが、今回の暑さは、前回間氷期であった12万5千年前以来であるという事です。
恐ろしいのは今年がピークであるとは限らない事、もしかしたらこれから毎年、前年の記録を更新する事となるかもしれず、そうなれば夏の間の社会活動の在り方も再考しなければならないかもしれません。イランでは地域によっては50℃超の気温となり、2日間公共機関も閉鎖して、臨時の休日としたそうです。
世界的には14~19世紀の頃はいわゆる「小氷期」で、ロンドンのテムズ川が凍り付いたというエピソードが有名ですが、この期間は日本国内も含めて寒冷によって凶作が頻発し、飢饉が何度も訪れて、それが地域間の紛争の原因ともなったりしました。
では気温が高ければ作柄が良いかと言えば、まさに過ぎたるは猶及ばざるが如しです。地域間の気温格差がより不規則かつ不安定となって降雨が局地的に偏在することとなり、日照りとなる所と豪雨により水害が起きる所がまだら模様に表れて来て、農作物に甚大な被害をもたらすこととなります。
我々の社会活動やビジネスはどの様なものであっても全て自然と関わっているのですから、今まで起きた事のない様な事柄にも時に思案を巡らせて様々な想定を行い、隙のない対策をしっかりと準備しておくことが、業種を問わずこれからの時代には必須になると考えています。