子供のころ、祖母が打つうどんが大好きで遊びにいった時はよく作ってもらった記憶があります。
こねて丸められた小麦の生地に布をかけ、その上にビニールシートをかけて上に乗って踏みつけて伸ばしてゆきます。
その上に乗る役目を仰せつかり、食べ物の上に乗る罪悪感というか、なんとも言えない足の裏の感触を今でも記憶しています。
時は経ち平成の世に入った4年目に、東村山市の支店に転勤いたしました。
うどん好きの私は仕事中にも移動の際うどん屋に目が行くのですが、早速担当エリア内に小さなうどん屋を発見しました。
蕎麦屋さんは沢山ありますが、うどん専門店は意外と少ない。
うどん専門店なので期待はしていましたが驚きの出会いとなりました。
出てきたうどんの色と太さに見覚え有り、更に一口食べてはっきり「おばあちゃんのうどんだ!」と分かりました。
「武蔵野うどん」という、うどんをご存じの方はいらっしゃるでしょうか。
このお店は武蔵野うどんの専門店で、祖母が作ってくれていたうどんはまさに武蔵野うどんだったのです。
練馬区大泉の出身だったので、間違えないと思います。
小麦の香りが強く、少々固めの田舎うどんですがそこが大好きです。
ちょくちょく寄るようになって30年になる東村山「手打ちうどん きくや」
この間の休日、家でゴロゴロしている長男を連れ立って行ってきました。
晩年車いすに座り、あまり口を開かなくなった祖母をわずかに覚えている長男ですが、私があまりにも思い出を騒ぐものですから、遠慮して美味しいと連発しておりました。
どうやら押し付けちゃったようです。